ドローンスクールで学べる技術とは
2010年頃から航空撮影に使用される機会が増えたドローンは、今ではマスメディアの撮影機材として必要不可欠です。この撮影を行うには高い技術が必要で、ドローンスクールに通って基礎知識と技術を一通り学ぶ必要があります。ここでは、福岡にあるドローンスクールで実施されているカリキュラムを参考にしながら、学べる技術について見ていきます。
ドローンの歴史と行えることについて
そもそも、ドローンとは一体どういったものなのでしょうか。このドローンとは、プロペラが4つ備わっている航空機で、その大きさは手のひらサイズから横幅50cmほどの小さなボディとなっているのが特徴です。1978年にアメリカ空軍によって開発された無人偵察機に由来しており、軍が使用するための航空機という歴史を持っていました。
その後1990年になると、アメリカの放送局がドローンを撮影機材として用いると、瞬く間に世界各国に普及して、日本でも用いられるようになりました。現在主流の機体にはHD画質以上のデジタルカメラが備わっており、主に空中撮影をするために用いられています。
一昔前であれば空中撮影は、セスナ機やヘリコプターにカメラマンが搭乗して撮影されていました。この場合は非常にコストが掛かるのがネックで、マスメディアでも空中撮影を多用することはありませんでした。ところがドローンの登場により大掛かりな撮影機材・航空機の手配をすることがなくなり、今ではバラエティーからニュース番組に至るまで、空からの撮影シーンを多く見かけられるようになっています。
この機体で行えるのは空中撮影だけでなく地形の測量も可能で、国土地理院では地図の製作にも使用しているほどです。今後もその活用と応用が期待される航空機で、我々の身近なアイテムとなっていくことでしょう。
福岡のドローンスクールの概要と特徴
福岡には2020年7月時点で計28校のドローンスクールがあり、国内でもっとも多くのドローンスクールが集っている地域です。これらのスクールでは2か月から半年の期間内でドローンの操縦技術を学べ、さらに国際ライセンスの発行もなされているのが特徴です。
ドローンスクールの入学に必要な条件は16歳以上という年齢制限のみで、この条件をクリアすればどなたでも操縦技術を学んでライセンスを獲得することが可能です。入学に必要な費用は各スクールで異なりますが、計28校の費用相場を見ると、入学金が約15万円・実技講習費が約25万円・教材費約10万円です。またドローンを扱いには保険にも加入しなくてはいけないので、トータルで60万円前後がドローンスクールに通うのに必要な費用となります。
福岡の場合、ほかの地域にあるドローンスクールとは異なっていて、屋内で飛行訓練をなされるところが多い傾向です。そのため、実地研修として1泊または2泊の研修合宿をドローンスクールで用意しているのが特徴です。この研修合宿では実際に屋外でドローンを飛ばして、スクール内で学んできた技術を披露することになります。この研修合宿が卒業時の認定試験にもなっているので、スクール生は全員参加をしなくてはいけません。
なお、研修合宿費用は別途必要で、10万から15万円に設定されています。この研修合宿は福岡地域のみのドローンスクールにしかなく、より高い技術を取得できる理由ともいえます
機体操縦から空中撮影術まで会得可能!
ドローンを操縦するには、操縦技術と航空法といった学科を学ぶ必要があります。2020年7月時点で全国に計150校のドローンスクールがありますが、そのうちの計28校が福岡県内に点在しています。
福岡県博多市には2000年10月に開校したドローンスクールがありますが、この学校が国内で最初に誕生したドローンスクールです。このスクールでは年間約600名もの卒業生を送り出しており、国内随一のドローン技術を伝授する学校として高い知名度を誇っているほどです。このドローンスクールで実施されているカリキュラムを見ると、基礎飛行訓練・カメラ撮影術・GPS操作とプログラム構築などとなっています。
この中で計49時間という長い講義時間を有しているのが基礎飛行訓練で、ドローンを操縦するための技術の伝授に時間を要していることが伺えます。その次にGPS操作とプログラム構築が計25時間となっており、無人航空機を操作するためのドローン・プログラムの構築の仕方とGPSを用いた操作を学べます。
カメラ撮影術は地上からコントローラーを使ってドローンのカメラを操作する方法となり、一般的なカメラを用いるのではなく機体に備わった小型デジタルカメラで、しっかりと目標物をファインダーにおさめる技術を会得することが可能です。福岡のスクールは2か月~5か月の在学期間となり、卒業と同時にライセンスを発行されるのが特徴です。
以上、ドローンの歴史と福岡のドローンスクールで習得できるドローンの技術についてでした。マスメディアのみならず、昨今ではさまざまな現場で活躍している小型航空機です。ライセンスを持っていると、就職活動でも役立つかもしれません。